top of page

2022年を終えて

雪が積もって辺りが真っ白になると、僕達は休みに入る。


割と自由に時間を使える時期なのだけれど、動物達がいるので、暮らしの中にある程度のルーティンが出来始める。朝起きて猫にゴハンをあげると、コーヒーを淹れて外に出る。犬と少し話をして、鶏にゴハンをやる。コーヒーを飲み終えると、犬と散歩に出掛ける。ウチに戻ると家事をしたり昼飯の支度を始める。ご飯を食べて、ちょっとした買い物に出掛けると夕方に。犬の散歩と鶏のゴハンをあげて、酒を呑みながら晩飯の支度をする。動物の世話の合間に、コーヒー豆を焙煎したり、キムチを漬けたり、ザワークラウトを仕込んだり、パンを焼いたり、ギターを弾く。


ほとんど人と合わずにそんな生活を続けていたのだけど、暮らしそのものを楽しめたら、これほど楽しい事はないなぁ...その一方でとても退屈に感じてしまうことも。暖かくなるにつれて、じわじわと、ざわざわと、早く土に触りたいと思う日が多くなった。


SNSでは少し書かせてもらったけれど、今年の農業が始まる前に、改めて2022年を振り返ってみようと思う(遅いですね...!)。


2021-2022の雪は、ずっとこの地域に住んできた人達も経験したことがないような大雪だった。気温が上がってきてハウスのビニールを張りたいけど、雪でハウスパイプが埋もれている。2022年の春は、色んなモノを掘り起こす所からのスタートだった。


昨年あきたこまちの作付け面積を4倍に増やした。きっかけは、義父から田んぼを一部やめる話を聞いていたこと。新しい田んぼの下見をしてみると、水の流れが良くなかった。友人に頼んで、田んぼ全体にぐるりと畔を新たに作ってもらって、排水と入水の流れを良くする。畑も水と風の流れはとても重要だと感じている。


場所には自然環境のクセがある。土や風や水や周りで生きている植物や動物、気温。また、一年を通して観てみないとわからないことが多くある。そして、沢山の課題が見えてくる。人間に出来る事はとても少ないと思っているけれど、植物は何かをすると必ず反応する。小さな気付きを見逃さないように毎日観ることが大切だと感じた新しい場所での米作りだった。


種を蒔いた野菜の種類は150種ほどになった。とても嬉しかったのは、野菜を食べてくれた方から、届いた野菜を見るとすぐに料理をしたくなると連絡を頂いたこと。季節の野菜を楽しんで貰いたくて年々、自然に野菜の種類が増えてきた。まだまだ食べた事がないけれど、美味しい野菜が沢山あるはず。料理や食事を楽しんで貰えたら、本当に嬉しい。今年もその想いを一番にやっていきたいと思う。


農業を始めて5年を終えることができた。ずっと感じていた事ではあるのだけど、僕達には味方がいるんだ、と改めて感じた一年だった。応援の力をとても感じています。本当にありがとう。今年で6年目。まだまだ半人前ですが、力の限り走ります。もうすぐ今年の農業が始まる。今年も何卒よろしくお願い致します。


それから、昨年は沢山の人達が会いに来てくれた。会いに来てくれる、ってとても嬉しい事だ。本当にありがとう。またいつでも来て下さい。僕達も会いに出掛けようと思う。

皆さまにとって、良き一年となりますように。


bottom of page